三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

アラン・ドロンの話に続き、最近驚いたことパート2。40代くらいの女性に「白墨を…」と言ったら「白墨って何?」って訊かれて目が点。黒板に文字を書く、チョーク=白墨って、知ってますよねぇ!? もしかして黒板って何?とか言わないでね~

 

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「昼顔」

人気テレビドラマの劇場版。 不倫の果てに沙和は離婚し、北野先生は妻の元に残った。家も仕事も失って海辺の町で暮らす沙和は、ある日北野先生と再会する…  

 

私はTVドラマを見ていないので、純粋に映画として鑑賞しましたが、マスメディアのPRほどは濃密なラブシーンもなく拍子抜け。テレビでは見せられない、映画ならではの斎藤工の色気やフェロモンの溢れるシーンを期待していたのにガッカリでした。

 

しかし、上戸彩の一人芝居の部分はすごく良くて、彼女のナレーションに寂しさや切なさを感じて涙しました。なのに、対人の芝居になると急に幼くなる印象はなぜ?

低予算なのか撮影日数が限られていたのか、同じ場所で何度も撮り回ししたような映像が多いのも気になりました。一定の間隔を置いて放送されるTVドラマと違い、一気に全編を観る映画では細部にもこだわって欲しいと思う。

 

道ならぬ恋、障害が山ほどあるから燃えるんですね、不倫って。 手に入れてしまえば月並みな男と女。ドラマチックなことがそう毎日起こるはずもなく、単調な生活の明け暮れが続くだけ。不倫なんてやめましょう! 夫を奪われ、それでもしがみつき、身も心も傷ついて般若になった奥さんこそが本作の本当の主人公かも。 衝撃の結末は未見の人には「シーっ」ですよ。

 

「TAP The last Show」

俳優・水谷豊の初監督作品。 水谷が40年間温めてきたという題材はタップダンス。ラストに繰り広げられるタップショーは圧巻で、有無を言わさぬ力強さに圧倒される。 

 

事故によって踊れなくなり、酒浸りの生活を送るかつての花形タップダンサーの渡が、盟友である毛利から、閉鎖される老舗劇場の有終の美を飾るショーの演出を頼まれる。 渡はオーディションに集まった若者たちを、常軌を逸した厳しさで鍛え上げる。

 

厳しい師弟関係を描く映画は、ドラムの「セッション」や空手の「ベスト・キッド」ボクシングの「クリード」、パイロットなら「愛と青春の旅立ち」等々、ジャンル毎にあるといっても良いぐらいで、いじめとも言えるほどのしごきに耐える主人公への感情移入と、その後の達成感、そして若者の成長と旅立ちの解放感が魅力だ。

 

しかし、本作品では若い主人公MAKOTO(清水夏生)の背景があまり描かれず、途中での共感がしにくかった。彼の背負った因縁を、ラストで粋に鮮やかに明らかにしようとした水谷監督の思惑は理解できるが、何か唐突な感じがして、もう少し早めに伏線を張っておいたほうが、もっと感情移入できて良かったのではと思う。

 

「タップのできる俳優か、芝居は素人だけどプロのタップダンサーか、迷ったあげくプロのダンサーを使った。」と語っていた水谷豊。芝居の補強のためか、はたまた彼の初監督作品を祝ってか、毛利役の岸部一徳だけでなく、六角精児、片桐竜二などなど「相棒」シリーズのお馴染みさんたちが、小さな役にまでそろって出演して脇を固めている。

 

ジャズのBGMにウィスキーの小瓶、真っ赤なアメ車のオープンカー、かつての栄華を留める劇場… 水谷さん世代の憧れやダンディズムが随所にちりばめられていて、ノスタルジーを誘います。

 

◎日曜かんたんブランチ

串に刺さなくても焼き鳥です!「フライパンで焼き鳥」を紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

雨にちなんだ名曲を2週にわたりお届けします。

今週は橋幸夫さんの「雨の中の二人(S41)」をお届けしました。

 

*各コーナーへの感想やリクエスト曲、あなたのつぶやきお便りもお待ちしています!

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