三丁目の良子さん

2024年4月28日放送分

桂木良子の映画感想
「陰陽師 0」

平安時代に実在した陰陽師・安倍晴明が陰陽師になるまでの物語を描く。

山崎賢人主演のアクション映画を期待して鑑賞したが、「キングダム」や「ゴールデンカムイ」のような熱量や見せ場のあるアクションはほとんど無く、貴族で笛の名手・源博雅(染谷将太)と晴明との友情の始まりや、博雅と皇族の徽子女王(奈緒)とのプラトニックな恋、青年期の偏屈で変わり者の晴明が描かれています。

晴明が幼い頃に両親は殺されたというが、両親はなぜ殺されたのか、そして犯人は誰なのか・・・ 等の推理ドラマも、抽象的な風景の描写がくり返し登場するのみで解りにくく中途半端だが、美しい衣装の数々と、溢れるほどの色彩の海は、佐藤嗣麻子監督の女性ならではの美意識を感じました。

呪いや祟りから都を守る呪術が政治を取り仕切っていた時代の、陰陽師養成学校は和製ホグワーツ? 勉強と出世のステップは現代と同じよう。『呪術は催眠術と同じ。人は見たい物だけを見て、聞きたいものだけを聞く。故に真実は人の数だけある。事実だけを見よ!』の言葉が印象的。

 

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