三丁目の良子さん

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「ターザン:REBORN」

魂を揺さぶるような歌声と深い霧に包まれた密林の映像。ミステリアスな出だしに思わず引き込まれます。 

 約100前に誕生し、数多く映像化されたターザン。腰布一枚の筋肉隆々たる身体で「あ~ああ~」と雄叫びをあげながら、蔦から蔦へと縦横無尽に飛び回る密林の王者ターザンを復活させた冒険映画ですが、「ハリー・ポッター」シリーズのデヴィッド・イェーツ監督作品とあって、感傷的で謎めいた回想シーンも多く、文芸作品の趣も漂わせています。 

 

英国貴族の御曹司でありながらアフリカ・コンゴのジャングルで類人猿に育てられ、密林の王者となったターザン。成人して英国に戻り、ジョン・クレイトン伯爵として美しい妻ジェーンと穏やかに暮らす彼が、悪人の企みによって再び訪れたコンゴで妻ジェーンをさらわれ、ターザンとして悪と戦い妻とコンゴの人々を救い出す・・・というお話。 

 物静かな紳士から一変、野生を取り戻したターザンが密林を走り、目もくらむような崖から跳び、ゴリラや水牛、ワニなど動物たちの力を借りて悪を倒すアクションシーンは迫力満点で、冒険映画の楽しさがいっぱい。

 

主演はスエーデン出身のアレキサンダー・スカルスガルド。知性と野性を肉体で演じ分けて見事だが、どことなく悲しげな顔つきのせいか、明朗さや爽快感はいまいち。 それを補っているのがサミュエル・L・ジャクソン。ちょっと意外な役どころですが、ヒーロー物に欠かせない助っ人役をコミカルに演じて楽しませてくれます。ジェーン役のマーゴット・ロビーの健康的な美しさもいいですね。

 

そしてヒーロー物には何より大事な悪役の存在。悪役が思いっきり憎らしくなければヒーローの魅力も半減するわけで、クリストフ・ヴァルツ(ジャンゴ繋がれざる者、007スペクターなど)は強くて悪い男をしっかり演じて盛り上げてくれます。

暑気払いにぴったりで、蘇える野生に思わず「あ~ああ~」と叫んでみたくなる映画です。

 

◎日曜かんたんブランチ

夏にぴったり「あっさりおにぎり」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

俳優そして昭和の語り部だった小沢昭一さんの「ハーモニカブルース(S60年にTVで初公開)」をお届けしました。

 

 

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