三丁目の良子さん

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「ブリッジ・オブ・スパイ」

1960年に実際に起きた事件をテーマに、スティーブン・スピルバーグ監督がトム・ハンクスを主役に描くサスペンス大作。 

 

アメリカとソ連が冷戦状態にあった1950年代にソ連スパイのアベルが逮捕された。たとえスパイでも正当な裁判を受けさせる正義の国だとアピールしたいアメリカ政府から国選弁護士として依頼されたドノヴァンは、その敏腕で死刑を回避させることに成功。

その5年後、アメリカ軍がソ連に送り込んだ偵察機が撃墜されパイロットが拘束された。二人のスパイを交換するという極秘任務を任されたドノヴァンは、交渉の舞台となる東ベルリンへと向かう… 

 

敏腕弁護士であり、よき家庭人でもあるドノヴァンを演じたトム・ハンクスは、もはや名優と呼ぶべきで、さすが! 

そしてアベル役のマーク・ライランスも実に良い!どこにでも居る小市民的な容姿と哀しげな瞳。ドノヴァンの問いかけに、いつも「それが何か役に立つか?」と穏やかに答えるアベルからは、諦めでも悟りでもない静かな信念が伝わってくる。対極の立場にありながら、祖国のためでも自己の利益の為でもなく、自らの信念に照らして生きる男二人の間に通う温かいものが感じられ、それ故にラストシーンが深く胸を打つ。

 

第二次世界大戦の終結から間もなくの東西冷戦時代、ベルリンの壁が建築されているさなかという時代観が、重厚で寒々とした風景から伝わってきて気圧されます。知らないということが生み出す暗鬼の怖さ、人を救うのは国ではなく人の“思い”なのだと教えられます。

 

◎日曜かんたんブランチ

「干し芋の和え物」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

仲宗根美樹さんの昭和36年のヒット曲

「川は流れる(作詞 横井弘 作曲 桜田誠一)」をお届けしました。

 

 

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