三丁目の良子さん

2024年3月10日放送分

桂木良子の映画感想
「コヴェナント 約束の救出」

2018年のアフガニスタンを舞台に、米軍曹長とアフガニスタン人通訳との「絆と誓い」を描く。乾いた大地と砂埃と兵士の迷彩服と、茶色ばかりの世界で繰り広げられる戦場ドラマだが、ガイ・リッチー監督ならではの男の友情に胸が熱くなる、見応えのある映画でした。

タリバンの武器や爆薬の隠し場所を探す部隊を率いるキンリー曹長と、アメリカへの永住ビザをもらう約束で通訳となったアフガニスタン人のアーメッド。しかし部隊は敵の罠に遭って全員が死亡。アーメッドは瀕死の重傷を負ったキンリーを手作りのソリに乗せ、山の中を100kmも歩き続けて助け出す。(リヤカーのような手押し車で坂道を登るとき、日本人なら引っ張ると思うのだけど、アーメッドは押していました・・・文化の違い?)  帰国して傷も癒えたキンリーは、命の恩人であるアーメッドがビザももらえず、タリバンから賞金を掛けられて命を狙われていると知って苦しみ、『今度は俺が助ける番だ』と単身アフガニスタンに舞い戻る。

武士道にも通じる恩義と心情に共感し、ぐっとくるものがありました。 せっかく生きて戻った夫を再び戦地に、しかも軍人としてではなく一民間人として自宅を抵当にした借金で送り出すという妻の葛藤。キンリーを英雄視しながら、命がけで彼を救った通訳のことは放っておく米軍の冷たさなど、きれい事だけではないリアルな描写もあります。

殺伐とした戦場ドラマに潤いをあたえたジェイク・ギレンホールの青い瞳と長いまつげ、アーメッド役のダール・サリムの涙に拍手!! 最後に、『永住ビザを与える約束で雇われたアフガニスタン人通訳は500人。米軍が2021年に撤退した後、約300人の通訳とその家族がタリバンによって殺害された』との紹介がなされ、胸を塞がれる思いになりました。

 

日曜かんたんブランチ
冬のネギは瑞々しくてトロリと美味しいですね。「ネギおかか丼」をご紹介しました。

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