三丁目の良子さん

2023年8月20日放送分

桂木良子の映画感想
「リボルバー・リリー」

作家・長浦京の代表作「リボルバー・リリー」を綾瀬はるか主演で映画化。スケールの大きな時代感と孤高のヒロインーの魅力に圧倒されます。

 

大正末期、関東大震災からの復興に活気づく東京。かつて敏腕スパイとしてアジアを暗躍した小曽根百合は、花街の一郭にひっそりと暮らしていた。

しかし、ある事件の鍵を握る少年を助けたことから、百合は陸軍の精鋭部隊から追われることになる。

 

凄腕の女殺し屋が、身寄りの無い少年を連れて、巨大な組織からの逃避行を続ける・・・というストーリーは、1980年に公開されたジーナ・ローランズ主演の「グロリア」(大好きな映画でした!)を思い起こさせるが、『タフでハードで優しいよ・・・』とキャッチコピーされたグロリアよりも若い分だけ?、綾瀬はるかのリリーは、タフでハード+しなやかで美しい。

 

活気にあふれ、大正ロマン漂う東京の町並みや雑踏のスケール感に圧倒され、残虐な事件のミステリアスな匂いに引込まれ、綾瀬はるかの着用するレトロでゴージャスな衣装の数々にもうっとり。グロリア同様に『たとえ殺しの現場でも身だしなみは忘れない』と言うリリーの、女性としての矜持に惚れ惚れします。ドレスによって使い分ける真珠のネックレスも美しい!

 

百合を取り巻く俳優陣もなかなか贅沢。長谷川博己はダンディで、豊川悦司はいつもながらセクシー。野村萬斎はその佇まいに様式美を漂わせ、佐藤二朗は漫画チックな不気味さを爆発させ、板尾創路は怖すぎる。

シシド・カフカや古川琴音など、女性陣は強く美しく上に頼もしいです。

 

百合が生涯でただ一人、心から愛したという男が最後に放つ言葉や、海軍大将・山本五十六が百合に約束する言葉も心に残ります。

 

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