三丁目の良子さん

2023年8月13日放送分

桂木良子の映画感想
「マイ・エレメント」

人間にはそれぞれにタイプがあって、たぶん私は風。どっしりと命を育む土のように、柔軟で強い水のように生きたいと願いながら、実態のない風のようにしか生きられない自分に忸怩たる思いを抱いているので、ピクサーアニメの世界では火・水・土・風のエレメント(元素)を持つ人々がどう描かれ、どんなふうに共生しているのか・・・と、興味津々で鑑賞。

しかし、映像はこれ以上無いほどに美しいものの、「火と水」以外のキャラは添え物程度にしか描かれておらず、多種多様の民族が暮らすアメリカの、多民族との共生を示唆する内容が、少々説教くさい。

 

火のエレメントを持つ気性の激しい少女エンバーと、穏やかな水の男の子ウェイドを中心にした物語。ウェイドの声はおっとりと優しさを感じさせる玉森裕太、エンバーの声は川口春奈。かんしゃく持ちの役なのだから当然なのですが、怒ってばかりいるヒステリックな声に疲れてしまい、父親のために自分の夢をあきらめようとするエンバーに感情移入できなかった。そもそも彼女の夢というのは何だったのか。『父親の店を継ぎたくない』ということしか伝わってきませんでした。

 

二人共に役柄に沿った声を演じていたのに、二人の恋に共感できなかったと言うことは、「火と水」はやはり難しい間柄と言うことか・・・ 

茫々と燃えさかる炎の姿をしたエンバーを抱きしめるのは、恐い!と、本能的に感じてしまうせいかも。映像がリアル過ぎるのも善し悪しですね。

 

『かんしゃくを起こすときは、心に何か言いたいことがあるから』の言葉はなるほどと納得。感情的になる前に、心にある「言いたいこと」を言おう。

 

本編上映前に短編「カールじいさんのデート」が上映されます。2009年公開の「カールじいさんの空飛ぶ家」のカールじいさんとしゃべる犬ダグの、元気な近況にクスッと笑ってホロッとします。

 

日曜かんたんブランチ
夏野菜の雄、ゴーヤをもりもり「ゴーヤとピーマンの塩麹和え」をご紹介しました。

*ラジオは参加すると楽しさ倍増! リクエストやメッセージお待ちしています!

最近の記事

ページTOPへ