三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週の良子お薦めの映画は「オフィサー・アンド・スパイ」です。

 

◎三丁目映画館

「オフィサー・アンド・スパイ」

19世紀フランスで起きた冤罪事件「ドレフュス事件」を、波瀾万丈の人生を生きる巨匠ロマン・ポランスキー監督が史実に基づいて映画化。

ベネチア国際映画祭で審査員グランプリを受賞。

 

1894年、軍事機密の漏洩容疑で陸軍大尉ドレフュスが逮捕され、終身刑が言い渡された。しかし、防諜局長に就任したピカール中佐は彼が無実である証拠を発見するが、陸軍上層部はあらゆる手段で冤罪の隠蔽をもくろむ。

 

ずっしりと見応えのある映画でした。衆人環視の中、寒々と広い練兵場の真ん中で、ドレフュスが軍服の徽章をむしり取られ剣をへし折られる冒頭のシーンで、ぐっと観客を引き込む手腕はさすがポランスキー監督。

 

ドレフュスが疑われた理由は、彼がユダヤ人であったから。陸軍の給料の何倍もの収入があるというドレフュスは、「反ユダヤ主義」の人々の憎悪の対象となり、絶海の孤島「悪魔島」に送られて口をきくことを禁じられ、硬いベッドに鉄の足枷でくくりつけられて眠ることになる。

 

組織が個人を罠にはめる恐ろしさ。ヒトラーが現れるずっと前からヨーロッパにユダヤ人憎悪の風潮があったことにも驚く。有罪ありきの裁判はまるで茶番劇で、作家・エミール・ゾラの支援により再審が始まるが、弁護士は何者かに殺され、ピカール中佐まで証拠偽造の罪を着せられて投獄。彼に敵対していたアンリ少佐は決闘に破れ、軍人らしい潔さで非を認めようとするが、そんな彼もまた殺されてしまう。

ドレフュスの無罪が確定したのは1906年。実に12年後のことでした。

 

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