三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週ご紹介する映画は「英雄の証明」です。

 

◎三丁目映画館

「英雄の証明」

カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞のイラン映画。

小さな嘘から世間に翻弄される男の理不尽な末路が切ない映画でした。

 

借金で告訴されて服役中のラヒム。そんなラヒムの恋人が金貨の入った鞄を拾った。借金を返すか、持ち主に返すか、迷ったあげくラヒムは持ち主に返す決意をするが、「借金苦の囚人が、拾った金貨を持ち主に返す」とメディアに紹介されて美談の英雄に・・・しかし・・・

 

日本との文化の違いに驚く。借金で告訴されて刑務所に。しかし受刑者にも休暇があって2~3日は外泊出来るとか、殺人罪で死刑判決を受けた囚人も大金を積めば減刑されるとか・・・

 

ラヒムを告訴したのは元妻の兄で、貸した金を取り返すよりもラヒムを苦しめることが望みらしく、金貨を売って半額を返済しようとするラヒムに、全額でなければ受け取らないと言う。ならば持ち主に返そうとラヒムが届け出る先が警察ではなく銀行の窓口というのも不思議。

金貨を拾った恋人も、受け取りに現れた女性も、それを公表出来ない立場だったのが不幸の始まりで、見るからに気の弱そうな甘いマスクのラヒムが、疫病神に取り憑かれたように墜ちていく様子はあまりに理不尽で切ない。

 

やったことの証明は出来るが、やらなかったことを証明するのは難しい。

悪意のあるSNSへの書き込みや、それに同調するメディアが、標的となった人の人生を狂わせていく様子が身震いするほど恐ろしい。

アスガー・ファルハディ監督(「セールスマン」「別離」でアカデミー賞外国語映画賞受賞)は、本作でも子どもの使い方が上手く効果的です。

 

◎日曜かんたんブランチ

旬の釜揚げしらすをたっぷり食べよう! 「しらす丼」をご紹介しました。

 

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