三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週ご紹介する映画は「カモン カモン」です。

 

◎三丁目映画館

「カモン カモン」

現代の話なのに全編モノクロで上映時間は108分と、最近には珍しいパターン。ドキュメンタリータッチの、ちょっと哲学的な映画でした。

ニューヨークのラジオジャーナリストで、子どもにインタビューする仕事をしているジョニーが、ロサンゼルスに住む妹の息子9歳のジェシーを預かって共に暮らす数週間を描く。

 

ジョニー役はホアキン・フェニックス。どことなく悲哀を抱えた独身の中年男を演じ、ジェシー役のウディ・ノーマン君がラスト近くに見せる笑顔のアップは、名作「道」でのジュリエッタ・マシーナにそっくりでドキッとする。

 

心の病気を抱えた夫のために母親が付きっきりとなり、伯父さんに預けられるジェシー。幼児でもなく少年と言うには少し早い、9歳という微妙な年頃であるうえに、両親譲りの繊細さと強い個性を持つジェシーの面倒を見ることになるジョニーの当惑ぶりに共感する。

 

それがアメリカの子育て方なのか、本音を抑えて常に紳士的であろうとする対処方に疑問を感じる。甘えたいときには思い切り甘えさせてあげたいし、危険な行為をしたり悪戯が過ぎる時には感情的に叱っても良いと思う。

暴力は論外だけど、こんなにも怒るほどいけないことなんだ・・・と、実感として解ってくれるはず。常に正しく上品であろうとしなくても、もっと人間的な日本式で良いと思う。

 

モノクロなせいか、視点が違うせいか、いつもはお洒落なニューヨークの街が、庶民的な生活感にあふれた街に描かれていて驚く。

そりゃそうですよね。人間が暮らす街だもの。お洒落なだけなんてあるわけない。高級街もあれば下町もあるってことですね。

インタビューに応じる子どもたちの答えも大人びていて、興味深い。

 

◎日曜かんたんブランチ

母の日のテーブルを華やかに「花束みたいなサラダ」をご紹介しました。

 

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