三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週の映画解説は「すばらしき世界」です。

 

◎三丁目映画館

「すばらしき世界」

佐木隆三の小説「身分帳」の舞台を35年後に置き換えて、西川美和監督が脚本を書き映画化。13年の刑期を終えた元殺人犯の、出所後の日々を描く。

 

主人公の三上を演じた役所広司が文句なく素晴らしい。 一匹狼のヤクザとして数々の修羅場をくぐり、殺人まで犯した男。 几帳面で一本気、弱い者を放っておけない優しさを持ちながら、その正義感を暴力でしか表現できない男が、愚直に生きる姿、生き別れた母親を求める姿に泣かされました。

 

彼を取り巻く人々にも味わいがあり、組長の姐さん(キムラ緑子)やソープ嬢(桜木梨奈)はしみじみと印象的だし、三上を取材するうちに惹かれてゆくTVマンの津乃田(仲野太賀)も良い。 悪役的なプロデューサー(長澤まさみ)さえ、三上の暴力現場から逃げ出した津乃田に「間に入って止めるか、でなけりゃカメラを回し続けろ!」と、至極真っ当である。 皮肉に思えるタイトルだが、三上の生きた塀の外は確かに「すばらしき世界」でした。

 

同じような世界を描く「ヤクザと家族」も公開中だが、『真っ当な堅気の心を持ちながら、ヤクザとして死んだ若者』に対して、こちらは『ヤクザの心意気を持ちながら、堅気の人として死んだおじさん』 の物語。甲乙つけがたく素晴らしい!

 

自業自得とはいえ、厳しい締め付けにあえぐヤクザたち・・・

ヤクザという生き方を否定しつつも、人としての彼らに注ぐ視線が優しい・・・と思う映画です。

 

◎日曜かんたんブランチ

ちょっと箸やすめの一品「ゆかり大根」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

田端義夫さんの昭和50年のヒット曲「十九の春」をお届けしました。

 

 

ラジオって聴くだけじゃなく、参加すると楽しいですよ。

リクエスト曲やあなたの身近なメッセージをお待ちしています。

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