三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週の映画解説は「残された者 北の極地」です。

 

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「残された者 北の極地」

北極に不時着した男が極寒の地で送る孤立無援のサバイバル映画。出演者はほぼ二人。セリフもほとんど無く説明的な描写もないが、雄弁な大自然の厳しさに絶句する。

 

オープニングは、雪と氷に覆われた岩山を一心不乱に掘る男の姿。それがSOSの文字であり、その大きさから、男がかなりの月日をそこで過ごしていることが想像できて、絶望的な気分に落とされる。髭も髪も伸び放題。見渡す限り何もない雪原で毎日同じ時刻に救難信号を試み、氷を割って魚を捕らえ、生のまま食べる男。

 

ある日、救援のヘリを見つけて男は歓喜するが、暴風に煽られてヘリは墜落。瀕死の女性を助けるために、男は彼女を連れて基地を目指すことを決意する。

 

氷の岩山、一寸先も見えなくなるブリザード、襲い掛かる巨大な白熊。白い荒野で、寒さと飢えと絶望的な孤独と戦う男を演じるのはマッツ・ミケルセン。ハリウッド映画では「どこかで見たような…」という程度の印象で、しかも悪役のイメージがあったのですが、スエーデンを代表する俳優さんなのだそうです。墜落したヘリから女性を助け出すときに、人間の温もりを確かめるように抱きしめて涙するシーンにグッときました。

 

監督のジョー・ペナは南米ブラジル出身で、ミュージシャンであり人気のYouTuberだそうで、本作が長編映画のデビュー作とか。映画の世界も変革期を迎えているのですね・・・

 

火ってありがたい… 暖かい部屋で煮炊きした食事をいただける幸せ。一番つらい事は孤独ということ。言葉を交わせる人間がいる幸せをしっかり確認できる映画でした。

 

◎日曜かんたんブランチ

作り置きしておくと便利!「油揚げの甘煮」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

昭和51年、松本ちえこさんで「恋人試験」をお届けしました。

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