◎良子のつぶやき

今週の映画解説は「人間失格～太宰治と３人の女たち」です。

◎三丁目映画館～今週の桂木良子お薦め映画

「人間失格～太宰治と3人の女たち」

蜷川実花監督らしい色彩と大音量で綴られるスキャンダラスな男と女の物語。太宰治とその妻、そして二人の愛人との関係と、名作「人間失格」が書き上げられるまでを描く。

太宰治には小栗旬。妻・美智子役は宮沢りえ。「斜陽」を書くヒントとなった静子役は沢尻エリカ。太宰と心中する富栄役には二階堂ふみ。見どころはこの４人の競演に尽きる。

酒と煙草と女にどっぷり漬かっている太宰に尽くし、何もかも捧げているように見えて、実は太宰の全てを絡め取ってしまった富栄の二階堂ふみ。可哀そうに見えながら実は怖い女を女優魂全開で演じています。

斬新すぎる思考と強烈な個性で太宰を振り回す静子役の沢尻エリカは、イメージそのままでアッパレ。

そして、妻である誇りを支えに家庭を守る美知子の宮沢りえが素晴らしい。太宰の才能を誰よりも信じ、どうしようもなく堕ちていく太宰を時には母のように受け入れる美知子が「もうダメ…」と泣くシーン、子供たちと青いインクにまみれて笑い泣きするシーンにぐっときました。

女優３人が各々の年齢に関係なく見せる老練さに比べ、やっぱり男は幼い…　女に“自分だけのものにしたい”と思わせる色気や、強い破滅願望を持ち『死ぬ』『死ぬ』と言いながら生き残る男の不条理を表現するには小栗旬は善人すぎる？　濡れ場で二階堂ふみが見せた思い切りの良さに比べ、彼には照れと遠慮が垣間見えました。

◎日曜かんたんブランチ

美味しい秋鮭を美味しく「ふっくら秋鮭の塩焼き」をご紹介しました。

◎昭和の名曲をあなたに

昭和44年、アン真理子さんのヒット曲「悲しみは駆け足でやってくる」をお届けしました。

 ＊各コーナーへの感想やリクエスト曲、あなたのつぶやきお便りもお待ちしています！