三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

新年最初の映画解説は「こんな夜更けにバナナかよ」の紹介です!

 

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「こんな夜更けにバナナかよ」

小学校6年生で筋ジストロフィーと診断され、20歳までは生きられないと宣告されながら43歳まで生き抜いた鹿野靖明さんの実話の映画化。首から上と手だけしか動かせない彼を献身的に支えたボランティアの人々との日々を、笑いと涙で描きます。

 

笑いを担うのは鹿野さん役の大泉洋さん。介助無しでは生きられない身でありながら、唯一自由に使える口を武器にしてワガママの言い放題。『あなた何様?!』と新人ボランティアの美咲にキレられても開き直って惚れちゃうし、男性としてのエッチな部分もちゃんとある。

 

大泉洋さんてスゴイ役者だと思う。守備範囲がものすごく広くて、二枚目も三枚目も善人も悪人も、まるで地のままのように軽々と演じてしまうので気付かれにくいけれど、この人はスゴイ役者です! そして美咲役の高畑充希さんもスゴイ!控えめに可愛らしげに、そのくせ大泉さんに引き離されることなく、互角に存在感を発揮しています。

 

涙の方は鹿野さんの生き方そのもの。難病に生んでしまってすまない…と自分を責め続ける母親にわざと憎まれ口をきいて遠ざけ『母の人生を僕の介護だけで終わらせたくない』と言う彼の言葉にホロリ。『誰だって出来る事より出来ない事の方が多い』『どう生きるかは自分で決める』『嘘は本当にしてしまえばいいんだ』等々。名言の数々にも頷かされます。『障害者の看病は家族がするものという常識を変えたい』という鹿野さんの考えも、少しずつ世間に浸透してきましたよね。

 

心優しきボランティア医学生の田中(三浦春馬)の苦悩、美咲との恋、延べ500人というボランティアの人々の献身に目頭を熱くしつつも、生きることに執着した鹿野さんに笑いをもらえる映画でした。 エンドロールが終わって劇場が明るくなる寸前に実在の鹿野靖明さんの映像が映し出されます。その笑顔に、少し大げさじゃない?と思っていた大泉洋さんの演技が、必然だったのだと得心しました。

 

◎日曜かんたんブランチ

淡白なカリフラワーも「カリフラワーのカレーマヨ焼き」で美味しいおかずになります。

 

◎昭和の名曲をあなたに

昭和39年、村田英雄さんの「皆の衆」をお届けしました。

 *各コーナーへの感想やリクエスト曲、あなたのつぶやきお便りもお待ちしています!

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