三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週の映画解説は「オズランド」と「ビブリア古書堂の事件手帖」の二本立て紹介です!

 

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」

地味な映画ですが、意外にほっこりと楽しめました。

ラブラブの彼とずっと一緒に居たくて、彼と同じ会社に就職したのに、配属されたのは傘下のローカル遊園地。おまけに波平(なみひら)という名前まで間違えられて「なみへい」だなんて、もう最悪。これってパワハラじゃない?! 

 

豚小屋の掃除や園内のごみ拾いばかりやらされて「私はゴミ拾いするためにW大学を出たんじゃありません!」とプライドを誇示するが、一緒に配属されて同じ仕事をさせられている吉村はなんと東大卒。へこむよねぇ…  しかし、波平は「魔法使い」の異名をとる上司、小塚(おづか)に出会い、仕事の楽しさを覚えてゆく…というお話。 

 

社会人一年生の意気込みと、待ち受ける現実に共感し、遠距離恋愛の難しさにも納得。会えない寂しさから… ではなく、離れた場所での生活感や、変わってゆく価値観を共有できなくなるから… なのね。

 

しかし、登場人物全員が善い人で、悪人が一人も出てこないので、暗~い物語にはならない。主演の波留さんはコミカルで可愛らしいし、終始笑顔で、いつになく明るすぎる西島秀俊にも軽い驚き。 「仕事も人生も、ちょっとしたアイデアと熱意で変えられる!」って、ちょっときれいごと過ぎるけど、ポジティブな気分になれる映画です。

 

「ビブリア古書堂の事件手帖」

鎌倉の片隅にひっそりと佇む古書店を舞台に、店主の栞子が一冊の本を巡る謎をひも解く。

タイトルは「事件手帖」だが、殺人などの派手な事件はなく、一冊の本を巡る謎解きも、本編半ばでおおよそ見当がついてしまう。

ミステリーというより静かで耽美な…昭和半ばのメロドラマを見るような趣の映画でした。

 

夏目漱石の「それから」と、太宰治の「晩年」、2冊の本が結ぶ謎と禁断の秘密。

亡くなったお祖母ちゃんが死ぬまで胸に秘めていた秘密とは?

渡辺美佐子さんの若かりし日の役が夏帆さん? 

小説家志望で金持ちのボンボン、スラリとハンサムな東出昌大さんが人生を賭ける相手にしては、ちょっと地味すぎるというか、華がなくない? と思ったのですが、だからこそ誰にも気付かれなかった…と考えれば、納得ですかね。

 

主演の黒木華さんはやっぱり美人だと再認識できるし、共演の野村周平の若さもいい。そして鎌倉という町がいい。秘密の匂いを醸し出す、ビブリア古書店のしっとりとした佇まいが何よりもいい。

 

◎日曜かんたんブランチ

東田コーイチローさんから寄せられた「納豆チャーハン」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

渡辺はま子さんでS25年「桑港のチャイナ街」をお届けしました。

 *各コーナーへの感想やリクエスト曲、あなたのつぶやきお便りもお待ちしています!

最近の記事

ページTOPへ