三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今年も一年間ありがとうございました。今年最後の映画は「オリエント急行殺人事件」をご紹介します。平成30年があなたに良い年でありますように…♥

 

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「オリエント急行殺人事件」

トルコからフランスへ向かう豪華寝台列車オリエント急行の客室で男が殺され、偶然この列車に乗り合わせた名探偵ポアロが事件解決に挑む。アガサ・クリスティの原作は何度も映画やドラマ化され、ストーリーやその結末は多くの人が知っている。結末の解っているミステリーをいかに見せるか。本作品の見どころは…

 

監督と主役ポアロを務めるケネス・ブラナーの本作は、知れ渡っている謎解きのプロセスよりも映像に重点を置いた製作法で、明るく美しいすべり出しから哀感あふれるラストまで、観客を飽きさせない。

 

活気あふれるエキゾチックなトルコから、12人の乗客とポアロが列車に乗り込むまでが素晴らしい。世界的に有名なオリエント急行の洗練された車内の美しさ、白い煙を吐いて雪山を力強く走る蒸気機関車の美しさにも魅せられ、観客もまた豪華な旅を疑似体験できます。

 

殺されるアメリカ人富豪をジョニー・デップが演じるのをはじめ、いわくありげな12人の乗客全てが個性的で、前作ではすべてが列車内だけで行われる密室劇だったのに対し、今作では目もくらむ鉄橋の上での追跡劇などのアクションのおまけもあります。

 

偏屈で自意識の強い前作のポアロに対し、ケネス・ブラナーのポアロは髭も風格も威風堂々。クライマックスでの堂々たるセリフ回にシェイクスピア俳優の片鱗を感じさせてくれます。事件を解明したポアロが乗客たちを横一列に並ばせて語りかけるシーンはレオナルド・ダ・ヴィンチの名作「最後の晩餐」を見るようで、圧倒的な印象を残します。

 「この世は善と悪、白と黒にはっきりと分かれている」と断言するポアロが、自分の美意識を曲げてまで灰色の結末を認めるラストが、シェイクスピア劇のように深い余韻を残す。

 

◎日曜かんたんブランチ

川北恵美子さんから教えていただいたレシピ「ゆず茶」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

ザ・キングトーンズの「グッド・ナイト・ベイビー(S44)」をお届けしました。

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