三丁目の良子さん

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「マネーモンスター」

拳銃と爆弾を手にした若い男が生放送の財テク情報番組をジャックし、お調子者の司会者リーの勧めた株で全財産を失ったと訴える。その様子が生放送される中、リーはディレクターのパティと共に暴落した株価の解明に挑む・・・というお話。 リー役はジョージ・クルーニー、パティ役はジュリア・ロバーツ、監督は名女優でもあるジョディ・フォスター。期待どおりの面白い映画でした。 

 

先ずは役どころの意外さ。ジョージ・クルーニーはコメディタレントさながらに派手な衣装で踊ってくれるし(後半はいつものダンディーな姿に)、すっかり落ち着いたジュリア・ロバーツは、ほとんど座ったままの演技ながら仕事の出来る女性の強さと包容力を見せてくれます。スター俳優の持つ華はハリウッド映画ならではのお楽しみですよね。

次にテンポの良さ。事件発生から解決までを、ほぼリアルタイムの99分ですっきり楽しませてくれます。

 

そして感傷的過ぎないジョディ・フォスター監督の男前な映画作り。

生放送で中継される犯人に視聴者が同情し始め、人質のリーすらも犯人に共感して変貌してゆく中、ここで泣かせるのだろう・・・と思う場面も現実以上に現実的に描かれ、拍子抜けするほど呆気ない結末にはユーモアさえ漂う。 

 

簡単に銃が手に入るアメリカ社会が悪いのか、株価を操って経済を動かす奴らが悪いのか、儲けた時は何も言わないくせに大損したら文句を言う庶民が悪いのか・・・ しかしほんとうに怖いのは、人命に係る事件でさえお祭り気分でスマホ片手に写真を撮りまくる野次馬の無神経さなのではないか… と思わせる。

ひとりの人間をどんな悲劇が襲おうとも時間はかまわず過ぎてゆき、だれかの人生に関係なく世界は動いて行くのよ~ って、ジョディ・フォスターのクールな横顔が見えるような映画でした。

 

◎日曜かんたんブランチ

かんたんにできる「鯵の寿司」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

昭和35年の井上ひろしさんのヒット曲「雨に咲く花」お届けしました。

 

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