三丁目の良子さん

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「殿、利息でござる!」

今から250年前の江戸時代。藩の荷物を次の宿場まで運ぶ伝馬の責務を担う仙台藩の宿場町・吉岡。

ただでさえ貧しい町なのに伝馬のために馬と人員を確保させられ、その費用の大きさに町は寂れる一方で、夜逃げする人が後を絶たない。

 

そんな時に一人の男がぶち上げた一発逆転の発想とは、藩に千両を貸し付けて利息をもらい、その金で伝馬の費用を賄おうというもの。 雨の日に傘をさしても良いのは武士だけ(町民は蓑)という時代に、庶民がお上に金を貸そうという仰天の発想ですが、実話なのだそうです。 

 

本作の見どころは阿部サダヲ・瑛太・妻夫木聡・竹内結子などなど豪華な俳優たち。時代劇にしては少々軽めの若手俳優たちをピシッと引き締める山崎努と草笛光子がきらりと光り、フィギアスケートの世界王者である羽生結弦も、出身地である仙台藩の殿様役で特別出演。殿様にしては歩き方が少々エレガント過ぎますが、なかなかの役者振りを見せています。

 

全編コメディータッチの映画ですが、泣ける場面もあって、親子・兄弟の深い確執が解けるシーンでは思わずほろり。 

 

家宝はおろか、家財道具から子どものおもちゃまで売り払い、お風呂も食事も切り詰めて数年がかりで集めた千両とは、現在の価値に直してざっと3億円。庶民が普段使っている寛永通宝は約60円とか。現代に置き換えて、50円玉や10円玉で3億円を集めたと考えれば、気の遠くなるような苦労がわかります。

 

私利私欲ではなく町のためみんなのために・・・という清廉な精神を意気に感じて協力する武士もいて、アッパレ日本人! それにつけても自分は・・・とチクリと胸が痛みます。

 

◎日曜かんたんブランチ

アサリを食べよう! 「深川丼」ご紹介しました

 

◎昭和の名曲をあなたに

昭和44年のヒット曲、「真夜中のギター」千賀かほるさんの歌でお届けしました。

 

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