三丁目の良子さん

2023年11月26日放送分

桂木良子の映画感想
「法廷遊戯」

弁護士で作家の五十嵐律人さんの法廷ミステリー小説の映画化。

予告編のイメージでは、人気の若手俳優を使ったゲーム感覚のドラマ、だと思っていましたが、主演俳優3人の魅力と持ち味の違いを生かした人間ドラマと、徐々に明らかになる謎。

最後にたどり着く真実に引込まれました。

 

裁判官や検察官、弁護士を目指す若者たちが学ぶロースクールに通うセイギ(永瀨廉)と幼馴染みのミレイ(杉咲花)。勉強漬けの毎日を送る彼らが行う模擬裁判の「無辜ゲーム」を仕切るユウキ(北村匠海)は、現役の学生でありながら司法試験に合格している天才だった。

 

「無辜(罪のない人)ゲーム」が行われるのは、採石場の地下洞窟。

無機質で寒々とした風景は切なくて、永瀨廉の暗い哀愁を帯びた瞳と、北村匠海の強い目力と、杉咲花の演技力を更に印象付ける。

 

説明的な描写を極力避けた97分というコンパクトな上映時間の中で、観客の想像力をかき立てるアクセントとなる存在が、謎の男(大森南朋)のイカレぶりや、ゆる~い下宿のおばさん(倉野章子)。短い出演シーンながら印象的で、良い仕事してます。

 

「無罪」と「冤罪」の違いについて考えさせられ、被害者と加害者のどちらにもあった深くて大きな傷の痛みを思いやり、もしかしたら違う解決法があったのでは・・・と思わされる切ない映画でした。

 

日曜かんたんブランチ
おでんや煮物に欠かせない大根を美味しく。「大根の下茹で」をご紹介しました。

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