三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週の良子お薦め映画は「君を想い、バスに乗る」です。

 

◎三丁目映画館

「君を想い、バスに乗る」

最愛の妻を亡くした90歳の男性トムが、スコットランドの最北端の村からイギリス最南端のランズエンド岬まで旅をするロードムービー。

日本なら下北半島から下関市まで本州縦断する距離になるという1300マイルもの道のりを、路線バスを乗り継いでの旅を続けるトム。

トムの旅の目的とは? 亡き妻メアリーと交わした約束とは? 人間って良いなぁ・・・と思えて、しみじみと涙がにじむイギリス映画です。

 

風が吹きすさぶ草原の道をひたすらに進むバス。高齢者用無料パスを使っての生活感あふれるバスの旅は多種多様な人々との出会いを生む。エンストした車の後ろを押してあげたり、羊と一緒にバスに揺られたり、女性にからむ男を一喝したり。一方で、寝過ごして夜の操車場で途方に暮れたり、意地悪な運転手に田舎道で降ろされて途方にくれたりのトラブルも。このとき助けてくれたのはウクライナの人たち。本作は昨年夏に英国で封切られているので全くの偶然らしいが、情け深い人々のタイムリーな登場に驚く。

小さな鞄を手に、たった独りで旅を続ける90歳のおじいちゃんの姿は、関わった人々によってSNSで拡散され、いつしか周囲を巻き込んでゆく。

 

トムの旅はメアリーとの過去をたどる旅。ときおり挟み込まれる回想シーンの二人は若く美しい。寒々とした大地に二人の笑顔とメアリーの黄色のコートが鮮やかに心に残ります。

高齢者もずっと年寄りだったわけじゃない。若く逞しい青年だったり、美しい娘であったり、恋する若者だった季節があったのだ。亡き父母の若き日をもっと聞いておけば良かったとしみじみ想い、涙がじわりとあふれました。

特殊メイク無しで、実年齢より30歳ちかく年老いたトムを演じたティモシ-・スポールは、味わい深い演技でイタリアのバーリ国際映画祭で主演男優賞を受賞しました。

 

◎日曜かんたんブランチ

たまにはこんなお漬物を。「ヨーグルト味噌のお漬物」をご紹介しました。

 

◎良子のお薦め歌謡曲

蒼彦太さんの「母ちゃんへ」をお届けしました。

 

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