三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週の映画解説は「ウインド・リバー」をご紹介します。

 

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「ウインド・リバー」

アメリカ・ワイオミング州の先住民保留地で発見された若い女性の凍死体を巡る事件を、実話に基づいて描いたサスペンス映画。

どっしりと重厚感のある、ずしんと腹にこたえる映画でした。

 

見わたす限り何もない雪の平原で、先住民の若い女性の凍死体が発見された。-30℃の夜に裸足で10kmも走り続け、血を吐いて息絶えた遺体。事故か他殺か… 捜査にやってきたのは、頼りない若い女性捜査官ジェーン一人だけ。 過去に同じような事件で娘を喪ったハンターのランバートは捜査に協力して事件を暴いてゆく。

 

凄腕のハンター役を演じたジェレミー・レナーが素晴らしい。寡黙でタフでありながら、時折見せる繊細な表情が魅力的です。

 

ジェーンの成長も織り込みながら、次第に明かされていく真実は意外で残酷なものですが、ことさらに残虐さを強調するシーンは無いので、鑑賞後に残るのは怖さより悲しみでした。

 

ニューヨークやロサンゼルスのような、進歩的で明るい都会だけがアメリカではなく、いろんな人がいろんな場所に住んでいて、負の遺産や歴史もあることをしっかり知っておかなくては…と思う。

 

行けども行けども何もない、ただ凍りつく大地と静寂があるだけという土地に追いやられた先住民の悲しみと静かな怒り、そしてあきらめが切なく、ケビン・コスナーの「ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990)」のラストシーンを思い出して胸を打たれる映画でした。

 

◎日曜かんたんブランチ

「かんたん・たこ飯」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

日吉ミミさんの「男と女のお話(S45)」をお届けしました。

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