三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

能登半島を襲った大地震で被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

◎三丁目映画館

「銀河鉄道の父」

門井慶喜の直木賞受賞作「銀河鉄道の父」の実写映画化。

宮沢賢治ではなく、父・政次郎を主役に描くことで、人間・宮沢賢治を形成したものや、作家・宮沢賢治が誕生した背景がより生々しく解りやすく受け取れました。

 

岩手県花巻市で父の代から富裕な質店を営む政次郎が、仕事先で男児誕生の電報を受け取り、喜びのあまり転げるように帰宅するシーンから、政次郎の親バカとも言える愛の深さに、涙・涙の映画でした。

 

チフスで入院した賢治の病室に付き添って自分も感染したり、普通なら母親がやるような役割も買って出る父性愛に溢れた政次郎さん。その愛を一身に受ける賢治はと言うと、人造宝石や宗教にのめり込むなどかなりな変人ぶり。そんな息子をついつい甘やかしてしまう政次郎を演じる役所広司さんが見事! 役者としての格の違いを感じます。

 

賢治役は菅田将暉。賢治の良き理解者である妹のトシ役は森七菜。老人性の認知症が進んで暴れる祖父(田中泯)を平手打ちし、『きれいに死になさい! 年寄りも若者も等しく皆いつか死ぬのです。怖がらなくて良いのです。あなたを皆が愛しています!』と言って抱きしめるシーンはグッときました。高齢社会を生きる私たちに、トシの口を借りて送られたメッセージだと受け取りました。

 

そのシーンがあったので、トシが肺結核によって24歳という若い人生を閉じるシーンに涙が止まりませんでした。

空から突然降ってきた人なんていない。没後90年経ってなお愛される宮沢賢治は、脈々と続く宮沢家のファミリーヒストリーの中で生まれた一輪の花なのだということ、そして誰もがみな自分のファミリーヒストリーを背負っているのだということを認識させられる映画でした。

 

◎日曜かんたんブランチ

連休明けの疲れた身体とお財布に優しい「水菜と揚げのさっと煮」をご紹介しました。

 

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