三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週の映画解説は「終わった人」を紹介します。

 

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「終わった人」

このタイトルはきつい。グサッと刺さるタイトル。でも主役は舘ひろしだから、きっとコメディタッチでしょう… と思っていたら、けっこう真面目な映画でした。「リング」など怖い映画を撮り続けてきた中田秀夫監督作品です。

 

東大法学部を卒業してメガバンクに就職し、エリート街道まっしぐらだったはずの田代が、子会社の窓際で迎えた定年退職の日。『心にもない慰労の言葉と花束で見送られて、まるで生前葬じゃないか』という田代の気持ちはよ~く解ります。

 

毎日が日曜日、何もすることがない。妻からは鬱陶しがられ、どこに行く当てもなく町をさ迷えば、公園も図書館も年寄りだらけ。再就職を希望しても輝かしい経歴が邪魔になって断られる。身につまされて笑えませんよぉ。

 

そんな中でようやく田代が見つけた生きがいとは、そしてその結末とは… 現実はもっともっと厳しいのでしょうが、そこは多少の笑いも盛り込んで、舘ひろしが情けないオジサン姿も見せてくれます。

妻役は黒木瞳、恋心を寄せる相手は広末涼子。IT企業の青年社長はすっかり体形が丸くなった今井翼。かつらをかぶった笹野高史などの芸達者なベテラン陣も脇を固めます。あ、そうそう、原作者の内館牧子さんも細部にチラッと出演しています。

 

「散る桜 残る桜も散る桜」田代が呟くこの言葉は、壮年期を過ぎた人にはしみじみと心に染みて、貞子より怖いかも。

 

◎日曜かんたんブランチ

低予算でお弁当のおかずにも美味しい「こんにゃくと竹輪の炒め煮」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

水原弘さんの「お嫁に行くんだね(S47)」をお届けしました。

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