今週の「金曜日のお客様」。スタジオには 『鏑木商舗』八代当主の鏑木基由(かぶらきもとよし)さん にお越しいただきました。日本中の織や染を作る京都の店に惚れ込んで仕立てたマントコート(?)をお召しになっての(2度目の)ご出演。文政5年(1822年)創業で現在は長町武家屋敷を拠点とする「九谷焼」窯元ですが、東京のお得意様も多数抱えながら、近年、東京・麻布十番のお店を“あえて”引き上げたそう。そのいきさつも含め、踏み込んだ話をいただきましたよ。

 

 現在も麻布十番に(もう一つの)住居はあるそうで、金沢との2拠点生活を続ける鏑木さん。13年続いた麻布十番のお店は、新幹線開業のタイミングで「金沢を大事にしたい」との思いから、“(大事なお客様を)金沢でもてなす”スタイルに特化され、閉店されたのだとか。当初はクレームもあったそうですが、昨年には500人ほどのお客様が東京からいらっしゃったそうで、お寿司も含めた本場のおもてなしに大満足され、現在は納得のリピーターばかりとのこと。「今、わざわざ東京でお店を出す必要もない。金沢を観光地というより、通う街と認識したほうがいい」との言葉には説得力も溢れます。(鏑木さん)個人的には、日本有数の華やかな麻布十番と、日本らしい静寂が残る長町武家屋敷に居を構えているので「それ以外の場所に出る必要もなくなった」と笑います。

 

 ラストには、武家屋敷の「金沢九谷ミュウジアム」の運営と個人で行う自警を通じての近隣(住民)とのコミュニケーション、その町ならではの魅力を後世に残すべく(個人的に)思い描く未来についても熱弁された鏑木さん。品の中に遊び心もあって情熱的、お話に聞き入るだけでなく、そのお人柄に魅了される時間となりました。

ページTOPへ