今週の金曜日のお客様、スタジオには北陸放送最寄りの『金沢21世紀美術館』より、館長の島敦彦(しまあつひこ)さんにお越しいただきました。富山県のご出身で、『富山県立近代美術館』からキャリアをスタートされましたが、なんと大学では理工学部で金属工学を学んだという異色の経歴の持ち主。今回は、そんな謎多き新館長から、現在に至るまでの経緯を軸に、様々なお話を伺いました。

 誘われたサークルで始めた油絵がきっかけで美術に興味を抱き、故郷で開館すると聞きつけた美術館に「なんとか入った」と笑う島さん。「専門知識が必要な今ではあり得ない」とおどけながらも、「知識がないからこそなんでも受け入れられた」と当時を振り返ります。後に大阪の「国立国際美術館」に23年間に渡って属されることになるのですが、「優秀に見えた」、「買いかぶられ人生」と入館の経緯をこちらでもご謙遜。そして、愛知県で2年間館長を務めた後、大阪時代から同じ「現代芸術」に特化した美術館として特に意識し、交流を重ねてきた『金沢21世紀美術館』の3代目館長に着任され、今日に至ります。
 
 現代美術について「わからないことを楽しんでほしい」、「理解できない自分を責める必要はない」、「訪れるたびに、違って見える。長い目で鑑賞するといい。」との島さんの言葉の数々には、ご自身が歩んできた自然体の歴史が重なり、説得力が違いますね。島さん率いる「日本で一番尖った美術館」に、どのような新たな風を吹き込んでいくのか、とにかく期待が膨らむ時間となりました。

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