三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週の良子のご紹介映画は「PLAN75」です。

 

◎三丁目映画館

「PLAN75」

突きつけられた現実に、しばらく席を立てなくなる映画でした。

超高齢化が進む近未来の日本で、満75歳から生死の選択権を与える制度「プラン75」が施行される。ホテルの清掃員として一人つつましく暮らすミチは78歳。高齢を理由に仕事を解雇され、プラン75の申請を考え始める・・・

 

ミチ役は6月29日に81歳の誕生日を迎えるという倍賞千恵子さん。寅さんの妹さくらとして長年愛され、美しい声で数々のヒット曲を生んだ歌手でもある倍賞千恵子さんが、いきなりシワだらけのおばあちゃんで登場して、ちょっとショック。誰でも公平に歳をとるのだということを実感するが、最近の75歳はもっと若々しい気がするし、ちょっと作り過ぎでは?

 

“若い世代の負担になるから年寄りは死ぬべき”という風潮が次第に浸透してゆき、生きたい老人は肩身が狭くなってゆく課程は切実で空恐ろしい。

死を選ぶ決意をした老人のケアするのは若者で、死後に遺品の始末をするのは外国人労働者。仕事だから、高額の報酬だからと自らの正義に目をつぶる彼らもまた、若い感受性をすり減らしてゆく。 

 

スター俳優は倍賞さんと磯村勇斗さんぐらいで、全編が暗い色調なので、まるでドキュメンタリー映画を観ているような感覚になり怖い。死を迎える会場は殺風景で、カーテンで仕切られた小さなベッドで、流れ作業のように死に向かう光景は安楽死という言葉のイメージとはほど遠い。 カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で、初長編作品に与えられる賞の次点を受賞。これからますます少子高齢化が進む世の中に、ひとつの視点を提起したことは間違いない。

最後にミチが選ぶ選択の先に希望があるとも思えず、自らの生き方や死の迎え方について考えさせられる。

 

◎日曜かんたんブランチ

夏野菜の茄子とキュウリで手軽に一品。「茄子とキュウリの中華和え」をご紹介しました。

 

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