◎良子のつぶやき

今週の映画解説は「真実」です。

◎三丁目映画館～今週の桂木良子お薦め映画

「真実」

「万引き家族」でカンヌ映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和が、フランスを代表する大女優カトリーヌ・ドブーブを主演に初の国際共同製作。共演はジュリエット・ビノシュとイーサン・ホーク。子役の女の子がとってもキュート。

毒舌家の大女優が自伝本「真実」を出版。それを祝うためニューヨークに住む脚本家の娘がテレビ俳優の夫と娘を伴って帰省するが、本に書かれているエピソードは嘘ばかり。しかも当然登場するはずの大切な人の名前が一行も書かれていない。母と娘の愛憎と確執を、秋色に染まるパリの邸宅を舞台に静かに綴る。

主人公とピタリと重なる大女優カトリーヌ・ドヌーブの圧倒的な存在感を見るための映画でした。「シェルブールの雨傘」や「昼顔」で世界を魅了した美しさも、有名男性たちと恋愛を重ねた奔放さも、映画界に残る我がまま伝説も、すべてが健在！と思わせる、カトリーヌ・ドヌーブによるカトリーヌ・ドヌーブの為の映画でした。

「女優」は職業ではなく人格らしい。演技を学んで身に着ける俳優という職業ではなく、生まれながらの女優という人種。そういう人がスターと呼ばれる人になるのね・・・。

歳を重ねた（７５歳）カトリーヌ・ドヌーブは、体型は丸くなったが美しい脚も天性の美貌も相変わらずで、娘役のジュリエット・ビノシュよりも若く見えます。

細いタバコを燻らしながら『良い母親で下手な役者より、悪い母親でも魅力的な女優のほうがましよ。ファンが愛してくれる』と嫣然と言い放つ彼女には今も妖気が漂い、まさに貫禄を感じさせます。「真実」というタイトルも深いですね・・・。

◎日曜かんたんブランチ

秋はきのこの美味しい季節ですね「まいたけのザーサイ風」をご紹介しました。

◎昭和の名曲をあなたに

昭和35年、橋幸夫さんのヒット曲「潮来笠」をお届けしました。

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