第561回 令和2年8月 開催
2020年9月11日 18:09
カテゴリ:2020(令和2年)
1.開催日時 令和2年8月
2.開催場所 新型コロナウイルス感染防止のため書面開催
3.委員の出欠 委員総数 9名
出席委員 9名
福森義宏 委員長 植村まゆみ 副委員長
大樋長左衛門 委員 小田與之彦 委員
西尾眞友 委員 大場吉美 委員
堀 直子 委員 み ゆ 委員
滝口圭子 委員
※委員全員の方から書面を頂きました。
放送事業者側
代表取締役社長 吉藤 徹
常務取締役 島田喜広(編成担当)
取締役報道制作局長 大家陽一(報道制作担当)
番組審議会事務局長 沢田秀樹(業務局長)
4.議題
◇『第28回JNN中部ブロック番組審議会委員長会議』へのご意見について
5.議事の概要
◇「新型コロナウイルス感染拡大」に伴いの4~6月の番組審議会を休会としたため、上記議題について各委員からご意見を7月中に募り、8月を書面開催として充てる。そのため通常の番組批評はなし。
6.各委員からの主な意見のまとめ
◇各委員の皆様から活発かつ多数のご意見を頂戴し、各項目について代表的なものを下記に内容を集約して抜粋
(1)JNN及びTBS全般についての意見・感想
■系列の「ターゲットは誰か」「ターゲットとする層はどこか」、明確なようで明確でないように思われる番組も見受けられる。「明確にする」ことはメリット・デメリットの両面があると思うが、ある程度の「明確化」は局イメージに繋がり必要。
■『消えた天才』は、BPO放送倫理検証委員会から指摘され番組打ち切りとなったが、真摯に受け止めこれからの番組制作に励んで欲しい。またBPOの指摘に対して、TBSとしてどのような取り組みを実施したのか、その内容が知りたい。
■近年は、新型コロナウイルス・豪雨災害・地震・国際政治の緊張など、社会・経済・環境含め、混沌とした複雑な停滞感が漂っているが、だからこそ高い視点からの知見を視聴者は期待している。少し先を見据えた本源的な批評展開・適切な分析と未来志向そして知性と豊かさを感じられる番組を望む。
(2)ニュースについて
■暗いニュースが続いているが日本国民はそんなにやわではなく、コロナの感染者数でも分かるように、どんな困難な状況でも一部の方以外はとても冷静に対処している。様々な規制や公共で伝えられないこともあるのかもしれないが、視聴者として出来るだけありのままの真実を伝えて欲しい。
『Nスタ』
■アップツーデートな話題をテロップや地図、映像を駆使し、心なしか読みもゆっくりの解説で、この時間帯に主婦が食事の支度をしながらついて行けるよう工夫している。重要な話題から身近な関心事まで、主婦層に好まれる話題を含め硬軟含めてのバラエティ性があり、「楽しく・ためになる」という印象。
(3)情報番組ついて
■「日々色々あり、昨日も色々あって、今日も色々あるかもしれないが、でも今日はいいことがあるかもしれないし,今日も1日がんばるぞ!」と思えるような情報番組を視聴したい。
『グッとラック!』
■視聴率は厳しいのではないか?全体として「志らくが朝のニュースをメッタ斬り!」という番組コンセプトに拘るあまり、誰に何を伝えたい番組なのか明確に伝わっていない。
■TBSにとっても重要な時間帯の番組。なぜなら大概の視聴者が時間的余裕の中で他局と比較出来るから。出演者のそれぞれの情報ソースや発信力の弱さが露出してしまっているように感じる。社会への貢献度も踏まえ、もう少し考慮した人選をすべき。
■他局番組との差別化を図るため,画面が全体的に黄色で統一されているが、確かに統一感は出るものの,朝からチャンネルを合わせたいと視聴者に思わせる配色ではなく、画面上もデコラティブな表現が目立ち過ぎる。視覚的に注意を割かざるを得ないような情報が多く、視聴者の情報処理資源がある程度割かれていることになり,したがって重要かつ伝達したい映像および情報が(処理に疲れて)届かないように思う。
『ひるおび!』
■話題になっている題材である「新型コロナウイルス感染症」「異常気象による新しい形の水害」「日本・韓国または北朝鮮関係の現況」等々、学者・政治家・(元・現)知事らの専門家 をゲストに、論点を整理し時間をかけて解説・議論を求める構成で、主張の是非は別として内容的に充実している。
(4)ドラマついて
『私の家政夫ナギサさん』
■現代の若い女性に共感を得られるよう丁寧に制作されていることが伝わる。働く女性がぶつかる仕事や恋愛・結婚に対する悩みに共感を得ているのではないか。30年前にバリバリ働いていたあの頃の自分に「ナギサさんが欲しかったなぁ」という気持ちになり、女性目線の番組制作の緻密さに感心。
『MIU404』
■刑事物はありきたりだが、だからこそ入っていきやすい王道のシチュエーションで、Twitterなどを見る限り10代はじめ幅広い世代でも支持を得ている。主人公2人のコミカルでサバサバした関係性に、令和時代のキャラクター性を感じる。
『半沢直樹』
■個人的には池井戸潤原作のドラマには食傷気味だったが『半沢直樹』は違った。今回は「顔芸」勝ちと実感。主演の堺雅人はもちろん、香川照之、市川猿之助、片岡愛之助、尾上松也と歌舞伎界のスターの演技力に加え、視聴者の想像をはるかに超える「顔芸」のインパクトはマンネリの不安を払拭してしまった。
(5)バラエティ・その他について
■深夜のバラエティ番組は、否定するわけではないが、割り当てられた時間が多すぎ、レベル的に堕落してしまっている印象さえ受ける。
『世界ふしぎ発見!』
■古参のバラエティー・クイズ番組であり、重ねてきた年月の重みを感じる。構成に古臭さを感じることも少なくはないが、古参番組が故の現象なればやむを得ないとも思う。
(6)インターネットとテレビについて
■コロナ禍で未来化が進んでしまい、特にこの両者関係が密接となった。地上波で見る番組とインターネット、両者の何が違うのかを鮮明にして行くことがテレビの未来を見据えること繋がると思う。
■現代の10~30代は、テレビからではなくネットから情報を得ると言われている。若者世代に支えられていたテレビが、その若者世代から離れられていることは嘆かわしいことであり、先行きが不透明であると言わざるを得ない。ネット、特にSNSとの融合を図り、安定した情報メディアとしての確立を望む。
(7)そのほか放送業界やメディア全般にについて
■今後ワクチンが開発され医療体制がインフルエンザウイルスと同じレベルとなっても、決してコロナ以前には戻らず、新しい社会に対応したテレビ番組のあり方を検討し、今からでも実験的なチャレンジをして欲しい。番組参加者間の衝立やリモートで参加することはコロナ感染には役立つかもしれないが、決して挑戦的な試みとは言えない。
■リモート放送は、技術的にはまだまだ初歩的な段階で、リモート放送をいかにデザインし未来化させていくか?SNSなどとは違う正しい情報をいかに迅速に伝えていくか!放送業界やメディア全般の責任は重大だと思う。
■今回のコロナ禍の期間中多く耳にしたのが、TBSに限らず情報番組・ワイドショーの司会者やコメンテーターの話し方が、上から目線で常に説教されているようで、威圧的な姿勢が不快で、「普通のテレビ放送は殆ど見なかた」「NETFLIXやHulu、YouTubeなどネット配信の番組ばかり見ていた」というもので、周囲にもこの機会にNETFLIXを新規で契約したという知人は急増。コロナでストレスがたまる一方で、彼らの情報の伝え方に厳しい見方をする人が多かったことの表れだと思う。テレビは大きな転換期を迎えており、NETFLIXやYouTubeといったネット配信系にチャンネルを奪われるのではく、「この時間はオンタイムでテレビを見る!」という番組を、是非とも多く制作頂きたい。
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