三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

今週の映画解説は「轢き逃げ 最高の最悪な日」の紹介です!

 

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「轢き逃げ 最高の最悪な日」

水谷豊の脚本・監督作品。悲惨な交通事故が多発している現実社会に一石を投じる映画。

 良く晴れた美しい日に、若い女性が轢き逃げされて死亡した。事故を起こしたのは一流企業に勤める青年・宗方で、3日後に副社長の令嬢との結婚式を控えていた。 大学時代からの親友で、披露宴の司会を頼んだ輝が待ち合わせに遅れてきたこと、婚約者を待たせて急いでいたこと、渋滞を避けて裏道を通ったこと… 小さな不運が重なって事故は起こり、目撃者がいなかった為に二人は逃げてしまう。

 

事故の直後、『これで俺の人生は終わった…』という宗方の絶望感は解るし、その後の恐怖もわかる気がする。夜も眠れず、食べられず、誰かの視線に怯えて脂汗を流す。元々は善良な人間が、大きな罪を抱えて嘘をつきとおすなんて、出来るはずがないのだ。

 

突然愛する娘を喪った両親の悲しみ。結婚式の翌日に夫を逮捕された新妻の茫然。誰にでも起こるかもしれない事故がもたらす不幸の連鎖が、身震いするほど恐ろしい。

 

犯人探しに執念を燃やす父親がたどり着いた結末とは… それまでの社会的人間ドラマが不意にホラーと化すクライマックスに仰天。 「相棒」シリーズで数々の難事件を解決してきた右京さんの水谷豊の脚本だけあって、やはり普通では終わりませんでした。

 

宗方役の中山磨聖さんは三田村邦彦さんと中山麻理さんの息子さん。大きな瞳がお母様似ですが、お父様のような甘い笑顔がもう少しあると良かった。年相応の父親役を演じた水谷豊さんの安定感や、岸部一徳さんの柔らかな魅力は言うまでもなく、新妻役の小林涼子さんの儚げな美しさも秀逸でした。

 

どんな時でも運転は慎重に。不幸にも事故を起こしたときは、決して逃げないこと。強い教訓をしっかり受け取りました。これから観る人のために、結末は決して話さないでね。

 

◎日曜かんたんブランチ

東田コーイチローさんのお便りで「とんたく」、そして「薄揚げのカリカリ焼き」をご紹介。

 

◎昭和の名曲をあなたに

美ち奴さんの昭和12年のヒット曲「あゝそれなのに」をお届けしました。

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