三丁目の良子さん

◎良子のつぶやき

春ですね~♪ 今週の映画解説は「北の桜守」です。

 

◎三丁目映画館~今週の桂木良子お薦め映画

「北の桜守」

日本における最後の映画スター吉永小百合さんの北シリーズの集大成。泣かされました。

 終戦直後。ロシア軍に追われて樺太から北海道へ必死で逃げてきた母と息子。酷寒の地で想像を絶する極貧生活を経て、アメリカへ渡った息子は成功して帰国するが、最果ての地で一人生きてきた母は認知症の症状を見せ始める… 過酷な逃避行の中で餓死寸前となった母てつが、生きて再び夫に会うために、生きて幼い息子を守るために、誇りを捨てて施しのおにぎりを食べながら慟哭するシーンに泣きました。

 

30年にわたる激動の時代をリアルに描くのではなく、舞台劇の演出を取り入れた滝田洋二郎監督の新手法に最初は戸惑いましたが、ストーリーを分かりやすくし、時系列を短縮できて良かったと思います。

 

スター女優の120本目の記念映画にふさわしく豪華な配役ですが、それぞれの存在感が薄くなり、ストーリーも散漫になってツッコミどころは満載ですが、凍りつく北の海と雪の大地、桜の美しさ、断崖絶壁の果てにある神社など、ロケの苦労が偲ばれる映像が感動的です

 

若い日を演じる吉永小百合さんには多少の無理を感じましたが、ラスト近くで白髪のおばあちゃんになったときの小百合さんがとても美しく可愛くてびっくり。 息子役の堺雅人さんはいつも怒っているような濃い演技で、人間としての魅力を感じられない男に見えました。終始かかとの高い靴を履いていたのはなぜなのだろう。

 

年老いた親の面倒を見るというのは私たち皆が抱える悩みで、今は他人事だと思っている若い世代にも必ずその悩みはやってきます。苦労して育ててくれた親への恩返しの意味を突き付けられた映画でもありました。 しかし、年齢を重ねて記憶が薄れてゆくのは悪いことでしょうか。「なにもかも覚えていたら人生はつら過ぎる。つらい事や悲しいことは忘れなさい」という、神様からのギフトではないかと… 私は思うのですが…

 

◎日曜かんたんブランチ

餃子の皮で大満足。「餃子の皮スープ」をご紹介しました。

 

◎昭和の名曲をあなたに

井上順さんの「お世話になりました(S44)」をお届けしました。

 *各コーナーへの感想やリクエスト曲、あなたのつぶやきお便りもお待ちしています!

最近の記事

ページTOPへ